2008年12月8日(月)「しんぶん赤旗」

75歳以上「無保険」
各地で続出の恐れ

1年滞納者から取り上げ

後期高齢者医療制度


 七十五歳以上を対象にした後期高齢者医療制度の保険料を滞納する高齢者が全国的に生まれ、このままでは来年四月に保険証を交付されない人が多数出る恐れが出ています。


 今年四月に始まった同制度では、保険料を一年以上滞納した高齢者から保険証を取り上げるしくみが導入されました。

 青森県保険医協会が県内の市町村を調査したところ、滞納した高齢者は四千二十八人にのぼりました(九月時点)。これは天引きされていない加入者(約三万四千人)の12%にあたります。

 舛添要一厚生労働相は五日の衆院予算委員会で、十八の広域連合(都道府県ごとに設置された制度運営組織)からの報告を集計した結果、年金から天引きされていない後期高齢者(月年金額一万五千円未満の低所得の人など)の8・4%が滞納していることを明らかにしました。低所得の人は全国で二百万人程度とみられることから、このデータから推計すると滞納者は十数万人にのぼる可能性があります。

 後期高齢者医療制度ができるまでは、滞納していても七十五歳以上の高齢者から保険証を取り上げることは法律で禁止していました。しかし、新制度では、法律によって保険証の取り上げが可能となったのです。

 保険証が取り上げられた高齢者には資格証明書が発行されますが、医療機関窓口では、医療費の全額を支払わなければならないため、お金がない人は受診できなくなります。病気になりがちな高齢者を医療から排除するものです。


共産党は中止要求

 厚労省は「機械的な対応はしない」としていますが、国民健康保険制度では一律に取り上げるケースが全国で続発しています。

 日本共産党の高橋ちづ子衆院議員(十一月十九日)と小池晃参院議員(四日)が国会で、「高齢者からの保険証取り上げは命に直結する」と追及。保険証取り上げ中止と制度廃止を迫りました。



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