2008年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
大量破壊兵器の危険増
米超党派の委員会が警告
【ワシントン=小林俊哉】米国の超党派でつくる大量破壊兵器拡散・テロ防止委員会のボブ・グレアム委員長(元上院議員)は三日、米国政府は大量破壊兵器の増大する危険に十分適応していないと強調しました。同委員会は二日、「国際社会が決定的かつ速やかに行動しなければ、世界のどこかで二〇一三年までに大量破壊兵器によるテロが起きる可能性がある」とする報告書をまとめています。
報告書はオバマ米次期政権に十三項目の提言を行い、その中で「核兵器のない世界という構想を再確認する」よう求めています。
同報告書は、「米国の安全の余地は広がるどころか、狭まっている」と指摘。最も大規模に殺傷する力がある兵器として生物兵器と核兵器をあげ、これらへの対処を重視しています。
核不拡散問題では、核不拡散条約(NPT)の実効性を高める努力を米国が率先すべきだと主張。北朝鮮、イランに対し、直接対話で核を放棄することのメリットを強く主張するよう求めています。
さらにパキスタンを「核兵器とテロが交差する地点」と指摘。核不拡散にむけ、軍事面だけでなく経済、外交両面での努力を通じて、テロの温床を根絶すべきだとしています。

