2008年12月5日(金)「しんぶん赤旗」

派遣34人解雇無効

鉄道公社との雇用関係認定

ソウル地裁


 韓国鉄道公社が運営する高速列車KTXの女性乗務員三十四人が、解雇は無効として公社側を相手に起こした裁判で、ソウル中央地裁は二日、乗務員らの主張を認める仮処分を決めました。乗務員らは、同公社の子会社と契約し、派遣社員としてKTX車内で勤務。同地裁は、親会社である同公社と乗務員らの直接雇用関係を認め、毎月一人あたり百八十万ウォン(約十一万円)を支払うよう命じました。


 韓国鉄道公社は、KTX車内のサービス提供業務を、子会社の韓国鉄道流通(旧・鉄道弘益会)に委託。子会社に雇用された乗務員らは二〇〇六年、鉄道公社の実質的な支配下にあるとして、直接雇用への転換を求めるストライキを実施し、解雇されました。

 ソウル地裁は判決で、「女性乗務員は従属的な関係で勤労を提供させられ、鉄道公社が賃金を含む勤労条件を定めた」と認定。「直接採用と同様の黙示の勤労契約関係が成立する」として、乗務員らの地位を認めました。

 解雇された乗務員らは三日、ソウル市内の全国鉄道労組ソウル地方本部事務所で記者会見し、鉄道公社に地裁の決定を受け入れるよう求めました。

 判決について京郷新聞は四日付社説で「実体のない子会社の使用者性を否認したことが最も注目される」と表明。非正規雇用の劣悪な雇用条件の背景に元請け会社の責任回避があるとした上で「間接雇用に対する元請け事業主の責任原則が確立されれば、この問題は解決する」と指摘しました。



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