2008年12月1日(月)「しんぶん赤旗」

妊婦健診への公費拡充

9回分の半分だけ

国の責任で無料こそ


 麻生内閣は、追加経済対策(十月三十日発表)に「妊婦健診の無料化(十四回分)」を盛り込みました。妊婦が費用の心配をせずに、必要な健診を受けられるよう、国庫補助制度を新たにつくって公費負担を増やすとしています。

 妊婦健診は母体と胎児の健康を守るために大切なものですが、一回五千―一万円程度の窓口負担がかかります。今回の政府方針は、国民の切実な要求を反映したものです。

 ただ、政府は全国すべての市区町村で十四回分が無料になるかのようにいっていますが、公費負担のしくみはそれを十分保障するものになっていません。

 政府の対策は、十四回のうち、九回分の二分の一を国庫補助するというものです。残りの五回については、地方交付税を財源に、自治体が独自の判断で実施回数を決める現在のしくみが維持されます。(図)

 地方交付税は使い道にしばりがないうえ、全体として減らされてきました。このため、自治体の財政状況が厳しければ、五回分すべてを無料化できない場合もあります。全国的には平均五・五回分が無料化されていますが、一―四回しか無料化できていない自治体も、全国千八百自治体のうち百七十二(9・6%)残されています。(四月時点、厚労省調べ)

 この自治体間格差を解決しないまま、九回分の国庫補助を上乗せしても、十四回分を無料化できない自治体も残る恐れがあります。

 九回分しか国庫補助を行わない理由について、厚労省の担当者は「現行のしくみを緊急に組み替えるのは難しい。財源の問題もある」と説明。「五回分は各自治体で努力していただきたい」と述べるのみです。

 また、国庫補助は当面二〇一〇年度まで。それ以降については「今後の実施状況をみて検討」(厚労省)としており、現時点では「時限措置」の域を出ていません。

 舛添要一厚労相は今回の対策について、「お金がなくても妊娠、出産は国が面倒を見るということをはっきり打ち出した」(十月十一日の記者会見)といっています。それを確実に保障するなら、自治体によって格差が生じないよう財政措置を講じるとともに、国の責任による恒久的な無料化制度の創設に踏み出すべきです。(坂井希)

図


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