2008年11月28日(金)「しんぶん赤旗」
山口組旧五菱会ヤミ金事件
被害者が返還申請
指定暴力団山口組旧五菱会ヤミ金事件で、スイス当局から返還を受けた約二十九億円の犯罪収益について、全国ヤミ金融対策会議の弁護士と被害者、支援団体のメンバーらが二十七日、返還・支給を求めて東京地検にいっせい申請しました。
東京地検は今年七月、ヤミ金業者の顧客名簿などから把握した約三万七千人に郵送で申請を呼びかけました。申請受け付けを開始してから四カ月が経過。被害者は全国に数十万人いるとみられますが、これまでに申請を行った人は約千二百人にとどまっています。このため没収資金の多くが被害者に返還されず、国庫に納められる恐れが出ています。
この日一行は、同地検内に設置された「五菱会事件被害回復センター」を訪れ、二十人分の申請書を提出しました。
同会議事務局長の木村裕二弁護士は「資料をなくしたりして、申請は難しいとためらう人も多いと思うが、地検のデータで被害が照会できる場合もある。一人でも多くの被害者に申請してほしい」と呼びかけています。
申請期間は、来年一月二十六日まで。問い合わせ先は、五菱会事件被害回復センター03(3595)1201。また、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会03(5207)5507でも相談を受け付けます。

