2008年11月27日(木)「しんぶん赤旗」

全国町村長大会

「二大政党で機能不全」
「『改革』で地方は疲弊」

国政に批判相次ぐ


 麻生太郎首相は二十六日、都内で開かれた全国町村長大会で、「地方の元気は日本の元気の源」「国民生活の不安を取り除くため、生活対策を策定した」と胸を張ってあいさつしました。しかし、大会で、意見発表した各地の町長からは、地方を切り捨てる国政への厳しい批判が相次ぎました。

 「二大政党制になりながら、ことは政局がらみでしか動かない。国政はまったく機能不全に陥っている」。こう述べて、自民・民主両党の姿勢を厳しく批判したのは岩手県一戸町の稲葉暉(あきら)町長です。「景気対策として有効なものが出ないだけでなく、市町村に定額給付金の支給方法を丸投げする迷走ぶり」と麻生首相が掲げる追加経済対策にも苦言を呈しました。

 また、佐賀県江北町の田中源一町長は、「『三位一体改革』の期待は見事にはずれ。国庫補助負担金、地方交付税の削減で惨憺(さんたん)たるもの」と地方を疲弊(ひへい)させた政府の責任を追及。富山県朝日町の魚津龍一町長は、後期高齢者医療制度をめぐる政府の対応について、「これだけぶれる国の政策はない」と厳しく批判しました。

 ところが、この首長の意見発表後、登壇した麻生首相は、冒頭のようなあいさつです。麻生首相が「(定額給付金の)制度設計を早急に進めるので協力を」と述べたくだりでは、ため息をつく町長の姿も。空気が読めないだけでなく、地方の実情をわかろうともしない首相が語っている間は、拍手も出ない冷ややかな雰囲気が漂いました。


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