2008年11月26日(水)「しんぶん赤旗」

教育予算 先進国で最低なの?


 〈問い〉 日本の教育予算は最低水準」「学費の高さは世界一」という演説を聞きました。本当ですか?(大阪・一読者)

 〈答え〉 本当です。世界と比べると、自民・公明の政治によって教育予算がきわめて低くおさえられ、子どもや父母に重い負担がのしかかっていることが、よく分かります。

 たとえば、OECD(経済協力開発機構、30カ国加盟)の国々をみてみましょう。

 学校や大学など教育機関への公財政支出が、GDPにしめる割合をみると、その国がどれだけ教育を重視しているかが分かります。データのある28カ国のうち、日本は3・4%と最下位です。他は、スウェーデン6・2%、フランス5・6%、アメリカ4・7%など、平均5・0%です(『図表でみる教育』08年版)。

 このもとで、家計に重い負担がおしつけられていることも、データは示しています。大学や短大など高等教育にかかる教育費のうち、家計が負担している割合は、日本は53・4%にのぼります。ところが他の国は、比較的高いアメリカでも36・1%。ヨーロッパ諸国はほとんど家計負担がなく、スウェーデンはゼロです。

 とくに、各国の学費に、その差は歴然とあらわれています。たとえば、日本では、大学の初年度納付金(授業料や入学金など)は、国立大学で約80万円、7割の学生が通う私立大学で平均130万円にのぼります。奨学金は利子つきが中心で、まるで教育ローンのようです。

 一方、OECD諸国では、スウェーデンやフランスなど、3分の1の国は授業料が無料です。ドイツのように一部有料の国もありますが、低廉で、返済しなくてよい給付制奨学金も充実しています。アメリカは、7割の学生が通う州立大学で授業料50万円台ですが、44%の学生が、給付制奨学金を利用しています。

 高校の授業料は、アメリカをふくむほとんどの国で無料です。

 日本の学費の高さは、国際的に異常です。貧困と格差が拡大する中、高すぎる学費で、学ぶことを断念する若者が増えているのは重大です。

 教育を受けることは基本的人権であり、経済的理由で妨げられるべきではありません。若者が新しい知識や技術を身につけることは、社会発展にとっても不可欠な営みであり、社会全体にとって貴重な財産です。

 世界の国々のように、教育予算を増額し、「世界一高い学費」を軽減する政治の実現が、切実に求められています。(久)

 〔2008・11・26(水)〕


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