2008年11月21日(金)「しんぶん赤旗」

私教連調査

中高生 学費払えない

経済的理由で100人超退学


 厳しい経済情勢のもとで、家業の倒産や売り上げの減少、保護者の勤務先の倒産やリストラなど経済的な理由で、私立中高校での学費の滞納率が高い水準で推移していることが二十日、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連、小村英一委員長)が同日発表した調査で分かりました。

 調査は今年九月末現在で、私立中高生の経済的理由による中退と学費滞納の実態を調べたもの。二十八都道府県の高校二百六十五校(生徒総数二十一万八千七百二十七人)、中学百二十一校(同四万七千四百五十六人)が回答しました。

 それによると、三カ月以上学費を滞納している生徒数は、高校で三千二百八人(全生徒の1・47%、一校あたり12・11人)に上りました。経済的理由による中退者は百三人となっています。

 調査には、「高校二年生の一クラスでは、四人が主に経済的理由で退学した」「奨学金を借りても将来返済できるか不安」「母親に過重な負担をかけているので、高校をやめて働きたい」など深刻な事例が多く報告されています。

 中退者は、生活保護世帯や非課税世帯、母子家庭、父子家庭といった所得の不安定な家庭が多くを占めているのが特徴です。一方で、「最近は、一定の収入がありながら減収、転職、リストラなどに直面し、住宅ローンを抱えているといった家庭に納入困難者が目立つ」(東京)との報告もあります。

 全国私教連は、「経済情勢の変化で今後の悪化が懸念される状況」としたうえで、学費を心配せずに高校に行ける条件整備が必要だと指摘。年収五百万円以下世帯の授業料の全額助成、年収八百万円までの世帯への授業料の半額助成の実現などを求めています。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp