2008年11月19日(水)「しんぶん赤旗」

福島・国見町 再選の党員町長 佐藤 力さん

「地域資源生かす町」へ抱負


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(写真)あんぽ柿の皮むき作業をする町民から要望を聞く佐藤町長(左から2人目)=17日、福島県国見町

 十六日投開票の福島県国見町長選で現職の日本共産党員首長・佐藤力(つとむ)氏(61)が接戦の末、再選を果たしました。

 「何ともさわやかな朝でした。心から喜べた」。一夜明けた十七日、工芸品などを扱う「くにみ浪漫大地の恵み館」で、女性(53)は体いっぱいに喜びを表現しました。「何といっても人柄、人柄よ。コツコツと実績を重ねてきたもの」とたたえます。

 「以前だったら町長といえば、えらぶったり、別世界の人という感じだった。こうして町長と対等に話ができるなんて」と女性(64)もいいます。

 前回の選挙は、合併か自立かが争点になり、告示前日に元町議だった佐藤氏が立候補を表明、町民の合併反対の意思を受け初当選しました。

 今回は、かつての合併推進派が各地域を締め付け、最終盤には「共産党だと予算が来ない」と反共宣伝しました。

 佐藤氏を応援してきた保守系の無所属議員(73)は、「当時は少数だったが、合併反対と正論をいってきた。その正論が勝利したということだ」と話します。「共産党だからという人もいるがおかしい。町のために頑張るのに党派も何もない」と語ります。

 選挙では、妊婦健診の十六回までの無料化など佐藤町長の「すぐにとりくむ三つのお約束」が町民の注目を集めました。

 その一つ、「子どもの医療費無料化を中学卒業まで拡大」には多くの共感が寄せられ、「中学卒業まで拡大の公約はパンチがあった。患者さんの話題になっていた」と話す開業医もいます。

 佐藤町長を応援する無所属議員グループも奮闘しました。また、町民を分断するような相手陣営の締め付けに対し、すべての町民に分け隔てなく「一緒に町の今後を考えていこう」とよびかけ、共感をよびました。

 農協に勤務していた佐藤町長は、モモワインの生産や超早場米の開発など、町おこしのアイデアマンとして知られています。史跡や磁気の高い山を利用してのいやしの里づくりを提唱し、民間による温泉開発や「道の駅」建設で町を活性化させようと努力しています。

 いま地元では、特産のあんぽ柿が収穫たけなわです。当選後、皮むき作業の現場を訪れた佐藤町長に、作業中の男性(54)は「道の駅ができれば、(柿などの産直品を販売して)もう少し売り上げが伸びるようになる」と期待を込めました。

 当選報告集会で「私を支持された方も、相手候補を支持された方も、一緒に手を携えてこの国見町をつくっていかなければならないと考えています」とあいさつした佐藤町長。「人にやさしく、地域資源を生かした町づくり」への抱負を語りました。(宮下進)


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