2008年11月18日(火)「しんぶん赤旗」

G20金融サミット

先進国の責任を追及

中南米3カ国


 【メキシコ市=島田峰隆】ワシントンで十五日開催されたG20金融サミットに中南米地域から参加したブラジル、アルゼンチン、メキシコの三カ国首脳は、それぞれ米国をはじめとする先進国の金融危機への責任を追及するとともに、その解決にあたって発展途上国の役割の拡大を求めました。

 ブラジルのルラ大統領は、金融危機は「無責任な投機家の利益と市場を規制するメカニズムがまったくなかったことの結末だ」と指摘。特に危機の震源地となった米国について、「ブッシュ米大統領は責任を負わなければならず、危機の対処をためらっていてはいけない」と名指しで批判しました。

 また「危機の拡大を防ぐ最良の方法は、豊かな国々が自らの問題を解決することだ。今回は、貧困国側に問題がない初めての出来事だ」と先進国の責任を追及しました。

 ルラ大統領は、新興国を含めた首脳会議の開催は、「歴史的だ」「主要八カ国(G8)首脳会議はもう存在意義がない」と強調。「今回の首脳会議は、世界が新しい局面を迎えていることをはっきりと示した」と語りました。

 アルゼンチンのフェルナンデス大統領は、「国際融資機関の再構築と具体的な対処策の確立」をテーマにした議論を要求しました。いまの資本主義を批判し、「働き口と社会的発展を生み出そうとする別の資本主義」が必要だと述べました。

 またアルゼンチンが先進国によって投資危険国と格付けされていたことについて皮肉を込めて反撃。「リーマン・ブラザーズの専門家は以前、アルゼンチンの崩壊を予告した。その後に分かったことと言えば、彼らが自分たちの会社の倒産が近づいていることをひた隠しにしていたことだった」と語りました。

 メキシコのカルデロン大統領は、会議後の記者会見で、「金融危機の発生源が発展途上国でないことを強調することが大切だ」と指摘。金融サミットは「ほぼ完全に先進国が支配している」と述べ、会議参加国を増やす必要性に触れました。



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