2008年11月8日(土)「しんぶん赤旗」
金融法案 参院審議入り
与党も貸し出し悪化指摘
本会議質問
参院本会議で七日、金融機関に公的資金を投入するための新金融機能強化法案が審議入りしました。中川昭一財務・金融担当相が趣旨説明を行い、民主党、自民党が質問にたちました。
民主党の富岡由紀夫議員は、金融の規制緩和を推進してきた同党のこれまでの政策を棚上げして、政府が「貯蓄から投資へ」と国民を追い立てたと批判しました。
新金融機能強化法案については、新銀行東京や農林中金などを公的資金投入の対象にすることには反対を表明したものの、国民の血税を投入することについては何も触れず、当然視しました。中川財務・金融担当相は、新銀行東京や農林中金に公的資金を投入することについて「制度上当然に排除するものではない」などとのべました。
自民党の椎名一保議員は中小企業向け貸し出しがこの一年で七兆円―八兆円減少したことや、日銀の企業短期経済観測(短観)でも貸し出し傾向が悪化していることを取り上げ、「このような金融機関の行動を見れば、金融機能強化法によって金融機関は中小企業に対する資金供給を積極的におこなうかどうか疑問」と表明。与党みずから、法案の欠陥を浮き彫りにした形となりました。

