2008年11月2日(日)「しんぶん赤旗」

イベロアメリカ首脳会議

金融市場の規制訴え

声明採択 「雇用・投資守れ」


 中米エルサルバドルの首都サンサルバドルで開かれていた第十八回イベロアメリカ首脳会議は十月三十一日、共同宣言と世界金融危機についての特別声明などを採択して閉幕しました。各国は金融危機から雇用と投資を守り、国際金融体制の改革に積極的に参加することで合意しました。

 会議は二十九日に開幕。スペイン、ポルトガルとその植民地だった中南米諸国、アンドラ公国の計二十二カ国の首脳や政府代表が参加しました。

 世界金融危機についての声明は、「危機の責任は先進国の金融体制にある」と指摘。各国が「雇用と投資を守る必要な対策をとり、生産活動への融資を保障し、社会のもっとも弱い部門に恩恵をもたらす社会政策を進める決意」を確認しました。

 また「市場の有効な規制」ができる金融体制をめざして、「国際金融体制の改革に積極的に参加、貢献する」としています。

 共同宣言は、若い世代の生活改善には「国家の中心的な役割」が必要だと強調。「初等、中等教育の普遍化と無償化」「質の高い医療」「食料安全保障」「雇用創出」などのための公共支出を増やすことを掲げました。

 討論では金融危機が最大テーマとなりました。

 アルゼンチンのフェルナンデス大統領は「市場の全面的な規制緩和から経済成長を得ようとするモデルでは発展する社会は得られない」と指摘。パナマのトリホス大統領は「金融市場に対する有効な監視が緊要だ」と述べました。

 チリのバチェレ大統領は、「金融危機は新興国の存在感と力を強める方向で国際金融機関を改革する機会だ」と強調しました。スペインのサパテロ首相も「新しい地政学的現実」を反映した改革が必要だと語りました。

 ボリビアやホンジュラスの大統領は「資本主義に代わる体制」の模索を呼びかけました。


 イベロアメリカ首脳会議 イベリア半島にあるスペイン、ポルトガル両国と、かつて両国の植民地だった中南米諸国との首脳会議。文化的、経済的、政治的に結びつきが強く、一九九一年から毎年一回首脳会議を開催。二〇〇四年からスペインとフランスの国境にあるアンドラ公国が加わりました。


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