2008年10月28日(火)「しんぶん赤旗」

大涸沼漁協が反対決議

「シジミと魚介類に被害」

茨城・霞ケ浦 導水事業


 霞ケ浦導水事業の那珂川取水口(水戸市)建設をめぐる問題で、茨城県の涸沼(ひぬま)に漁業権を有する大涸沼漁協(組合員三百九十一人)は二十七日、「涸沼のシジミと魚介類に重大な被害を及ぼす」として事業そのものに断固反対する決議を採択したことを明らかにしました。

 涸沼は、海水と淡水が混じり合う汽水湖で、シジミの一大生産地。那珂川の河口付近で涸沼川を通じて結ばれています。

 決議は今月二十三日の同漁協理事会で採択。(1)那珂川からの取水で流量が減少し、塩分濃度などに変化を及ぼす(2)霞ケ浦から送水されると外来魚やプランクトンなどが移送される―と指摘し、「断固反対する」とうたっています。

 会見した同漁協の鴨志田清美組合長は導水事業について、「公式的な説明を受けたことはない。涸沼の漁業に予測できない損害を与えることになる」と批判しました。国主導の公共事業に強い不信感を表明しつつ、今後は取水口建設差し止めの仮処分を申請している茨城、栃木の那珂川関係漁協と連携していく考えを強調し、「(仮処分決定後の)本裁判に加わることもありうる」とのべました。



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