2008年10月23日(木)「しんぶん赤旗」

流域住民 主人公に

ダム・河川行政で申し入れ

党議員団


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(写真)ダム・河川行政にかんする申し入れ書を渡す(左から)仁比参院議員、塩川、こくた、佐々木各衆院議員、紙参院議員=22日、東京都千代田区の国交省

 日本共産党国会議員団は二十二日、金子一義国交相あてに、ダム建設計画をめぐる新たな情勢を踏まえ、「ダム建設ありき」を改め、「流域住民が主人公」の河川行政へと転換するよう申し入れました。こくた恵二国対委員長、佐々木憲昭、塩川てつや各衆院議員と、紙智子、仁比聡平両参院議員が参加しました。

 一九九七年の改正河川法は、河川行政における環境保護や住民参加を定めました。これに対し国交省は、同法を形がい化させ、従来の計画通りのダム建設に固執する姿勢を続けてきました。

 申し入れで、こくた氏は、熊本県川辺川ダムについて蒲島郁夫知事が中止を表明したことや、淀川水系流域委員会(国交省の諮問機関)が淀川水系の「ダム計画は不適切」としたことを指摘。両計画中止の決断を迫りました。公共事業費の圧縮など経済社会情勢の変化を踏まえ、住民参加の徹底、環境優先、ダムによらない治水対策の追求など「流域住民が主人公」の河川行政へと転換し、ダム建設計画については中止・凍結をふくめ見直すよう要請しました。

 また、川辺川ダムや八ツ場ダム(群馬県)の建設予定地では、半世紀にわたって地域住民に不利益を押し付けてきたと指摘。ダム建設を中止した場合には、地域住民の生活に支障がでないよう、国の責任で地域再建を促進するよう求めました。

 国交省の甲村謙友河川局長は、申し入れ書について「しっかり読ませていただく」と述べました。


「ダム建設ありき」を改め、住民参加を徹底し、「流域住民が主人公」の河川行政への転換を求める

I 川辺川ダム、淀川水系ダムを直ちに中止し、「流域住民が主人公」の河川行政に転換する

1 川辺川ダム、淀川水系ダムの建設中止を直ちに決断すること

2 住民参加と情報公開を徹底する

(1)流域住民の意見が反映する住民参加を徹底して、河川整備計画をつくる

(2)情報公開を徹底し、流域住民から求められた資料などの情報はすべて開示する

II ダム建設は、経済社会情勢の変化に対応し、中止・凍結を含め抜本的に見直す

(1)事業中のダム計画の見直しの主な観点

(2)サンルダム、八ツ場ダム、設楽ダム、山鳥坂ダムなどは直ちに中止する

III ダム建設が中止されても、住民の生活再建と地域振興に責任を持って取り組む

(1)「公共事業の中止に伴う住民の生活再建・地域振興を促進する法律(仮称)」を制定する

(2)ダム建設が進行中であっても、住民の生活と営業をまもる


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