2008年10月22日(水)「しんぶん赤旗」
停戦線またぎ貿易
印パ戦争後初
カシミール
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【ニューデリー=豊田栄光】インドとパキスタンに分断されているカシミール地方で二十一日、停戦ラインをまたいだトラック貿易が始まりました。一九四七年の第一次印パ戦争以来初めて。今後は週二回のペースでトラックが往来します。
両国をたったトラックはリンゴ、バナナ、ナッツ、はちみつ、タマネギ、米などを相手側に届け、運転手の一人は「夢が実現した」と喜びました。
インド側カシミールのボラ州知事は「歴史的な日。今後はどんどん貿易量が増える」と期待を寄せ、パキスタン側のカーン州首相は「貿易や人の交流は領土問題の最終的な解決に貢献する」と話しました。
印パ両国はカシミール地方の領有権を争い三度戦火をまじえました。二〇〇三年に停戦で合意し、〇四年からは包括和平協議を開始しました。
和平協議の成果として、〇五年に停戦ラインをまたいだバス運行が実現。旅券やビザなしで住民の往来が可能になりました。今回の貿易は、停戦ラインにおける信頼醸成措置の一環として、今年九月に合意されました。


