2008年10月18日(土)「しんぶん赤旗」

63歳男性が孤独死

区は生活保護申請拒否

東京・江東


 東京都江東区で生活保護の申請を拒否された男性が四カ月後に自室で孤独死していたことが十七日、わかりました。男性は亡くなる前、友人に「窓口で六十五歳以下だから働くようにと言われた」などと話していました。


守る会 再発防止を要望

 亡くなったのは、区内の都営アパートに住んでいた六十三歳の男性です。今月九日、自治会の立ち会いで警察と都住宅供給公社が部屋に入り、発見しました。遺体は死後約一週間が経過し、死因は病死でした。

 区福祉事務所によると、男性は今年六月、生活保護を申請しようと福祉事務所の窓口を訪問しました。この際、実際には必要ないにもかかわらず申請には預金通帳などの書類が必要として後日あらためて来るように説明。その後、男性が持ってきた通帳で保護基準を超える十一万円の預金を確認し、申請させませんでした。

 友人によると当時、男性は病気がちで仕事に行けず、経済的に困窮。友人が訪問すると一週間ご飯を食べず、まっすぐ歩けないほど健康状態が悪化していました。友人は生活保護を受けるようにすすめましたが、後日、男性から年齢などを理由に受けられなかったと聞かされたといいます。

 区子ども生活部保護第二課の杉山広英課長は「保護基準を超える預金があっても申請させることはできたが、減ったらあらためて来るように伝えたはずで本人も理解していたと思う。就労可能かは確認したが、六十五歳以下だから働けという機械的な対応はしていない。勘違いされたなら残念だ」と説明します。

 江東生活と健康を守る会の佐藤巖会長は十七日、福祉事務所に対して相談体制の拡充と再発防止を要望しました。



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