2008年10月16日(木)「しんぶん赤旗」

国境紛争地で交戦

タイ・カンボジア両軍


 【ハノイ=井上歩】タイ、カンボジア両国軍は十五日、クメール寺院遺跡プレアビヒアの周辺地域で交戦しました。カンボジア外務省は、カンボジア兵二人が死亡、二人が負傷、タイ軍報道官は、タイ兵五人が負傷したと発表しました。交戦の際、タイ側の兵士十人がカンボジア側に拘束されました。

 タイのソムポン外相は同日、カンボジアに滞在するタイ人に退去を呼びかけました。

 プレアビヒア周辺の国境未画定地域をめぐっては、十三日にソムポン外相がカンボジアでフン・セン首相らと協議。しかしフン・セン首相が同日、タイ軍がカンボジア領を侵犯しているとして「戦争が起こる」と発言。タイ側は、軍は自国領土内にいるとして撤退を拒否し、緊張が高まっていました。

 両国は七月、紛争の平和解決に努力することを確認し、紛争を国境画定委員会で話し合うことにしていましたが、タイの政治混乱を理由に協議は進んでいませんでした。両国兵士の交戦は今月三日に続き二回目です。


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