2008年10月16日(木)「しんぶん赤旗」
新民主党が議席増
アフガン撤兵を主張
カナダ下院選
【ワシントン=西村央】金融危機のもとでの総選挙として注目されていたカナダ下院選(定数三〇八、小選挙区制)は十四日投開票され、アフガニスタンからのカナダ軍撤兵を主張する新民主党が議席を伸ばしました。第一党はハーパー首相率いる与党・保守党。野党第一党の自由党は議席を減らしました。
各党の獲得予想議席は、保守党一四三(改選前一二七)、自由党七七(同九五)、ケベック連合四九(同四八)、新民主党三七(同三〇)など。
カナダは現在、二千五百人をアフガンに派兵中です。二〇一一年までの派兵経費が当初見込みの二倍以上の百八十億カナダドル(約一兆五千八百億円)になるという議会の調査結果が九日に明らかになり、派兵問題が争点に浮上。新民主党は保守、自由両党にたいして「(派遣費用を)国民に正直に話していない」と批判し、撤兵を主張していました。
選挙戦では、米国のサブプライム(信用の低い低所得層向けの住宅ローン)問題の影響を受け、経済の低迷が続くなか、景気対策が一つの争点でした。ハーパー首相は投票日を前にした三日、二百五十億カナダドルを使い銀行から住宅債権を買い取る案を発表し、自由党も賛成の意向を示していました。

