2008年10月16日(木)「しんぶん赤旗」
バイクレースで三宅空港を閉鎖
都知事肝いり 島民から批判
東京都の石原慎太郎知事が主導して三宅島で開催するバイクイベントのため、三宅空港を十八日に閉鎖し、羽田―三宅島間の飛行機便を運休させることがわかりました。島民から「イベントのために公共交通機関を止めるなんて、とんでもない」と批判の声があがっています。
バイクイベントは、十七―十九の三日間開催し、十八日に三宅空港で約四百メートルの短距離のスピードを争うドラッグレースを行うほか、バイクパレードなどを計画。主催はNPO(民間非営利団体)法人で、都と三宅村が計約二億円を補助する予定です。
定期便を運航している全日空は、都と同村の要請を受けて運休を決めたとしています。
三宅村によると、「ドラッグレースは十台以上の参加を目標にしている。レースができる場所は空港の滑走路しかないので、空港管理者の都と全日空に運休を要請した」としています。ドラッグレースをやらなければ、空港を使う必要はないことを認めています。
三宅島バイクイベントをめぐっては、昨年、都が二億六千五百万円をつぎ込んだにもかかわらず、一般ツアー参加者は百八十五人にとどまり、不評でした。参加したタレントに一千万円の出演料を支払い、石原知事が宿泊した施設の改修に都の交付金一億円を支出するなど、災害復興から逸脱する浪費を重ねていたことが、日本共産党の調査で判明。党都議団は都に対し、バイクイベントを中止し、原油高騰対策、噴火災害で被災した島民の支援を行うよう申し入れています。

