2008年10月13日(月)「しんぶん赤旗」

主張

軍事費

削減して福祉財源とすべきだ


 医療、年金、介護などの社会保障費の財源をどうするかが国政の大きな問題になっています。

 社会保障の財源というと、消費税を引き上げることしか思いつかない議論が横行していますが、これは大間違いです。日本共産党の志位和夫委員長は衆院での代表質問(二日)で、社会保障費の財源を確保するため、大企業・大資産家へのゆきすぎた減税を元に戻して七兆円の財源を確保するとともに、五兆円もの軍事費に縮減のメスを入れるよう麻生首相に要求しました。消費税増税に頼らず社会保障を向上させるには軍事費の大幅削減は避けて通れません。

最悪・最大のムダ

 麻生首相は、軍事費は「日本の安全保障のために不可欠」として志位委員長の要求を拒絶しました。軍事費は最悪・最大のムダです。軍事費を削って福祉に回せという国民の願いを顧みもせず、消費税10%への値上げに固執するのでは国民の痛みを増すだけです。

 軍事費は日本の安全保障のためという議論がそもそも間違いです。在日米軍への「思いやり予算」と比重を増す海外派兵予算をみても「日本防衛」と無縁な予算であることは明白です。

 政府は、「思いやり」と称して米軍施設をはじめ日本人基地従業員の給与、光熱水料、演習費など、米軍給与以外は何でも負担しています。沖縄米軍基地再編のためのSACO経費、米軍再編経費を含めると「思いやり予算」の総額は二千五百億円にもなります。米軍地位協定は基地維持費を米軍負担と明記しており、日本の負担は、協定に照らしても不当です。

 もともと日本に駐留する在日米軍は、どれも世界のどこで紛争が起こっても、真っ先に殴りこむのが任務です。「思いやり予算」の支出は、アメリカの無法な戦争を後押しすることにしかなりません。しかも米軍とその基地は、国民の生命と暮らしを脅かす元凶となっています。「思いやり予算」は全廃するしかありません。

 一方、自衛隊の正面装備や活動内容は、いまや海外での軍事作戦向けが中心です。空中給油機や大型補給艦などの海外派兵に備えた装備をもつようになっています。

 防衛省が来年度予算の概算要求で、陸自のCH47輸送ヘリへの防弾板取り付け、「多様な環境下での活動を可能にするため」のエンジン機能の向上、米軍がアフガニスタンなどで使っている偵察用小型無人機の導入などを要求するのは、海外での軍事作戦に備えたものです。ソ連が崩壊したのに、ソ連軍を想定した90式戦車をいまだに買い続けるムダもあります。

 麻生首相が「国民目線に立った行政支出の見直し」というなら、まず、こうした不要不急の軍事費を削減すべきです。

国民の要求で

 米軍「思いやり予算」をなくすだけで社会保障費を毎年二千二百億円も削減しなくてすみます。軍事費を大幅に削減すれば、国民負担を軽減し社会保障向上につながります。自民、公明や民主のようにアメリカいいなり、財界優先で軍事費削減の議論を避けるのでは、国民の求める財源対策は実現できません。

 日本共産党は日米軍事同盟=日米安保条約の廃棄を目指す唯一の党として、軍事費の大幅削減のため力をつくします。


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