2008年10月9日(木)「しんぶん赤旗」

“人間らしく働く”国際行動

フランス各地で10万人

「カジノ資本主義」批判


 【パリ=山田芳進】国際労働組合総連合(ITUC)が呼びかけた「国際ディーセントワークの日」の七日、フランス全土で約九十のデモや集会が行われました。十万人以上が雇用の安定や賃金の向上など要求。欧州に波及した米国発の金融危機について、労働者がつくり出した富を銀行や投機家が失わせたと糾弾しました。


 パリでは約一万三千人(主催者発表。警察発表約七千人)がデモ行進のあと、エッフェル塔近くの「人権大通り」前広場での集会に参加しました。

 集会でITUCのライダー事務局長はグローバル化時代の課題に対応した「新たな組合国際主義」の必要性を強調。欧州労連のモンクス事務局長は「カジノ資本主義」を批判し、「行き過ぎた金融の時代は幕を閉じるべきだ」と訴えました。

 この日の行動は労働総同盟(CGT)など六組合が呼びかけました。仏民主労働同盟(CFDT)のシェレク事務局長は、金融危機に関して「銀行(の救済)だけが語られ、その経済的・社会的影響が語られることがない。しかしそれは、解雇や工場の閉鎖などとなって目に見えている」と強調しました。

 集会で各組合代表の演説を聞いていた大手出版会社勤務のフィリップさん(38)は、「組合の力が強いわが社の中でも、若者や女性における不安定さを感じることがある。世界の労働組合が手を取り合って共通する課題に取り組むことは、いいことだ」と語りました。


 ディーセントワーク 「働きがいのある人間らしい仕事」という意味で、一九九九年に国際労働機関(ILO)が提唱。安定した雇用、公正な所得、労働者の権利保障、男女平等、個人の能力開発の展望などを意味します。二〇〇五年の国連世界サミットは、「完全かつ生産的な雇用とディーセントワーク」を各国の政策の「主たる目的」とすることに合意しました。



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