2008年10月9日(木)「しんぶん赤旗」

管理職基準変更せず

厚労省 新通達を事実上撤回


 厚生労働省は、外食や小売りチェーン店などの店長が管理職に該当しない判断要素を示した新しい通達(九月九日)について、「基本的な判断基準を変更したり、緩めたりしたものではない」として事実上、撤回する通達とQ&Aを三日付で出しました。

 労働組合や弁護士団体などが「従来の判断基準が緩和され、管理監督者の範囲が拡大されかねない」と批判し、訂正・撤回を求めてきました。

 法律上の管理職にあたる「管理監督者」の基準については、部長や工場長など「経営者と一体的な立場」にある者に限定。労働時間の自由裁量や賃金などでふさわしい待遇があることが判断基準とされてきました。

 九月の通達は、従来基準を踏まえて総合的に判断するとしながらも、管理職に該当しない要素として、(1)パートなどの採用に責任と権限がない(2)時給換算で最低賃金に達しない―などを示しました。

 しかし、実際には店長は採用権限があり、最低賃金を下回る店長などいないことから、「判断要素に当てはまらないと管理職として扱ってよいと悪用されかねない」との指摘があがっていました。

 今回の通達では、九月の通達について「基本的な判断基準を変更したり緩めたりするものではなく、逸脱事例を具体的に示すことで適正に運用されるようにするもの」として、従来の判断基準が基本になることを強調。「該当しない場合には管理監督者性が認められるという反対解釈が許されるものではない」としています。



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