2008年10月3日(金)「しんぶん赤旗」

公的資金投入案を可決

預金保険上限引き上げ盛る

米上院


 【ワシントン=鎌塚由美】米上院は一日夜、最大七千億ドル(約七十四兆円)の公的資金を使って金融機関から不良資産を買い取る法案を可決しました。二十九日に下院では否決されましたが、上院では預金保険の上限額引き上げなどの修正が加えられました。

 採決の結果は、賛成七四、反対二五(共和一五、民主九、無所属一)でした。

 法案の根幹である買い取りの枠組みに基本的変更はありません。公的資金を段階的に投入することのほか、金融機関に新株取得権(ワラント)の提供を義務付けています。金融機関経営者の報酬も制限します。

 修正案では、低中所得層や中小企業への減税措置や、預金者保護として、金融機関が破たんした場合に連邦預金保険公社(FDIC)が保証する預金額を預金者一人当たり十万ドル(約一千五十万円)から二十五万ドルに引き上げることを盛り込みました。

 保証額引き上げは二〇〇九年末までの時限措置で、財源は政府が負担します。FDICが財務省から無制限で資金を借りられるようにします。

 上院での採決には、共和・民主の両大統領候補も賛成票を投じました。上院本会議で演説したオバマ議員は、法案は「ウォール街ではなく、米国経済の救済のため」だと強調。マケイン議員からの演説はありませんでした。

 法案は、下院に送られ三日にも採決にかけられる見通しです。


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