
2008年10月1日(水)「しんぶん赤旗」
愛媛県警不当配転
二審も告発警官勝訴
「裏金批判の見せしめ」
愛媛県警の裏金づくりを内部告発した巡査部長仙波敏郎さん(59)が、告発した直後に拳銃を没収され、配置転換や勤勉手当の減額処置を受けたことは違法として、県警に百万円の損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟の控訴審判決が三十日、高松高裁でありました。矢延正平裁判長は「配置転換は違法」と述べ、全額の支払いを命じた一審判決を支持し、県警の控訴を棄却しました。
矢延裁判長は、仙波さんの配置先は、内部告発をした記者会見後に新設され、必要性は認め難く、それまでの担当職務ともほとんど無縁と指摘。配置転換は「見せしめと推認され、妥当性を欠く」と認定しました。
判決後、記者会見した仙波さんは「ほっとしました」と感想を述べ、「正義を認めてもらうことがこれほど難しいこととは思いませんでした。支援をしていただいた全国のみなさんにお礼を言いたい」と話して深く頭を下げました。
薦田伸夫弁護団長が判決内容を説明し、一審では違法とされた記者会見の妨害について違法性はないとしている点などに触れ、「事実認定は一審よりも後退している」と述べました。
仙波敏郎さんを支える会の東玲治世話人は、判決の意義について「いくつかの事実に目をつぶったとしても、結論は揺るがなかった。いい結果だと言っていい」と話しました。