2008年9月30日(火)「しんぶん赤旗」

独バイエルン州議会選挙

保守与党が歴史的大敗

社民党も最悪結果


地図

 ドイツ南部のバイエルン州(人口約千二百五十万人)で二十八日、州議会選挙(定数百八十七)の投開票が行われ、一九六二年以来単独過半数を維持してきた与党キリスト教社会同盟(CSU)が半数を下回り、歴史的な大敗を喫しました。

 CSUはメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)と統一会派を組む政党。二〇〇九年の連邦議会選挙を前にしてのCSUの大敗は、メルケル首相にとっても大きな打撃です。中央政府でCSU・CDUと大連立を組んでいる二大政党の一つ、社会民主党(SPD)も同州議選で史上最悪の結果となり、二大政党後退の結果となりました。

 暫定公式結果によると、CSUは得票率43・4%(前回比17・3ポイント減)で前回より三十二議席減らす九十二議席の大敗北。SPDも前回から得票率をさらに1ポイント減らして18・6%、議席は二議席後退して三十九議席となりました。

 CSUの長期政権にはシュトイバー前州首相の権威主義的政治姿勢、教育・福祉政策に批判が集中。昨年から有力政治家の離党が相次ぎました。

 今回の選挙で躍進したのが小政党。CSU指導部に反旗を翻して離党した政治家が合流した「自由な有権者」が得票率10・2%、二十一議席で初めて議席を獲得。自由民主党も8%、十六議席で十四年ぶりに議席を回復しました。緑の党も得票率で1・7ポイント伸ばし9・4%、十九議席を得ました。

 旧西独の州議会選挙で連続して議席を獲得している左翼党は得票率4・3%で前回ゼロから大きく伸ばしたものの、5%条項に一歩届かず、議席は得られませんでした。

 今回の選挙で、メルケル首相やミュンテフェリングSPD党首代理が選挙応援に駆け付け必死にてこ入れを図りましたが、有権者は国政与党の二大政党に背を向けました。


 ドイツの保守政党、CSU・CDU バイエルン州を基盤とするキリスト教社会同盟(CSU)とそれ以外の十五州を基盤とするキリスト教民主同盟(CDU)は連邦議会で保守の統一会派、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を組んでいます。両党は国政レベルでは一つの政党のようにみなされることが多く、メルケル政権与党の二大政党という場合、CDU・CSUと社会民主党(SPD)を差します。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp