2008年9月26日(金)「しんぶん赤旗」

包括的核実験禁止条約

米などに批准求める

40カ国外相


 【ニューヨーク=鎌塚由美】包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期の発効を目指し、CTBTを批准している四十カ国の外相らが二十四日、米国をはじめとする未批准の国に速やかな批准を求めました。国連本部での会合には、米国のペリー元国防長官も参加。キッシンジャー元国務長官らとともに核兵器の廃絶を米紙で呼びかけた同氏は、記者会見で次期米政権はCTBTの批准に動く「十分な見込みがある」と語りました。

 会合では、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が百七十九カ国が署名(百四十四カ国が批准)しているCTBTがいまだに発効していない現状に「懸念」を表明。すべての国が署名・批准し、発効させるように求めました。

 参加国は、条約発効に必要な残り九カ国(米国、中国、北朝鮮、インド、パキスタン、イスラエル、エジプト、インドネシア、イラン)の批准を強く求める声明を採択しました。日本からは川口順子元外相が参加しました。

 会合後の記者会見に参加した国連平和大使のマイケル・ダグラス氏(米俳優)は、ペリー氏ら米元高官四氏が核廃絶を呼びかけたことを紹介し、米国がCTBTを批准する「肝心なとき」だと語りました。ペリー氏は、CTBTの発効は、核兵器廃絶に向けた「現実的措置」だとも語りました。


 包括的核実験禁止条約(CTBT) 宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間における核兵器の実験的爆発および他の核爆発を禁止するための条約で一九九六年九月の国連総会で圧倒的多数でもって採択されました。発効には米国など四十四カ国の批准が必要とされます。



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