2008年9月22日(月)「しんぶん赤旗」

軍事で平和つくれない

仏・独・英・米でデモ・署名


仏 アフガンからの撤兵要求

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(写真)フランス軍部隊のアフガニスタンからの撤退を求める人々=20日、パリ(山田芳進撮影)

 【パリ=山田芳進】フランス各地で二十日、アフガニスタンに駐留するフランス軍の撤退を求める集会やデモがありました。

 アフガニスタンに展開中のフランス軍兵士十人が先月、活動中に殺害されたことで、二十二日に上下両院で同国軍のアフガン駐留と延長をめぐる議論と採決が行われるのを前に、撤退を要求する国民の声を盛り上げようと取り組まれたもの。平和団体、労働組合、政党などで構成するネットワーク「NATO・アフガニスタン」が呼びかけました。

 パリのデモには主催者発表で約三千人(警察発表二千人)が参加。主催者団体の一つ、仏平和運動のビラール共同議長は「撤退を『タリバンに対する敗北』だという意見があるが、それは誤りだ。七年間のNATOの関与で、軍事では解決ができないことは証明されている。国際社会による再建の援助に切り替えるべきだ」と強調しました。

 二十二日午後の国会討論に先立ち、仏平和運動は午前中に国会内で記者会見を予定し、これには仏共産党、緑の党が参加。社会党は党として撤退を要求していませんが、平和運動は、撤退を主張する同党議員の参加を期待しています。

 十六日に発表された世論調査では、回答者の62%が駐留に反対しています。

独 アフガン派兵反対 1万人

 ベルリンからの報道によると、ドイツの首都ベルリンとシュツットガルトで二十日、アフガニスタンに駐留するドイツ軍部隊の撤退を求め集会・デモが行われ、計一万人が参加しました。

 集会・デモには、「アフガニスタンに平和のチャンスを」をスローガンに百以上の平和団体が共催。「アフガンは独軍の演習場ではない」などの横断幕を掲げ、ベルリンで七千人、シュツットガルトで約三千人が市内をデモ行進しました。

 主催者の一つ、左翼党のブフホルツ連邦議会(下院)議員はベルリンの集会で「このデモはアフガン派兵に反対が強まっている証拠だ」と強調しました。

 ドイツは現在、アフガン北部のクンドゥズなどに国際治安支援部隊(ISAF)の一部として三千五百人を駐留させています。十月の議会で承認されれば、部隊は四千五百人に増強されます。

 八月末から、ドイツ兵によるアフガン市民射殺、路肩爆弾などによるドイツ兵の死傷などが相次ぎ、撤退世論が高まっています。

英 「対テロ戦争反対」と5000人

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(写真)マンチェスター市中心の労働党大会会場前で英軍撤退を求めるデモ参加者=20日(岡崎衆史撮影)

 【マンチェスター=岡崎衆史】英労働党大会が始まった中部マンチェスターで二十日、各地から集まった五千人(主催者発表)が米英両国による「対テロ戦争」反対、イラク、アフガニスタンからの軍撤退を掲げてデモ行進しました。

 デモは、反戦団体の「戦争ストップ連合」が主催し、市中心部を行進。労働党大会会場前では十五分間ほど立ち止まり、戦争反対を訴えてひときわ大きな声をあげました。労働党には、英軍の撤退を求める書簡も提出しました。

 戦争ストップ連合幹部のリンゼイ・ジャーマン氏はデモ後の集会で、米国が対テロ戦争を宣言してからの七年間を振り返り、戦争がアフガン、イラク、パキスタンなど次々に拡大し、「世界はより危険になった」と訴え。アフガンについては、「今年の六、七月だけで、昨年全体より多い民間人を殺害した」と述べ、惨状を引き起こした米英両国を批判しました。

 労働党のジェレミー・コービン下院議員は、政府が金融危機を招く一方で「イラクに通常の軍事費以外にこれまで九十億ポンド(約一兆七千六百億円)を使い、アフガンで今後三十年にわたって戦争を続けようとしている」と警告。「戦争がもたらすのは死と破壊と無駄、市民的自由や生活への打撃だ」と訴えました。

 ロンドンからバスで参加したソーシャルワーカーのキース・ハカンソンさん(36)は、「今こうしている間も爆弾で何の罪もない人々が殺されています。戦争で平和はつくれません」と語りました。

米 イラク戦争終結求め署名

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(写真)戸別訪問で対話し、イラクからの米軍撤退を求める署名を集める反戦活動家=20日、ワシントン(鎌塚由美撮影)

 【ワシントン=鎌塚由美】十一月の大統領選挙と同時に行われる米下院および上院(三分の一が改選)の連邦議会選挙を照準に、米国の反戦団体は二十日、「平和のための百万戸訪問」活動に取り組みました。

 平和活動家をはじめとするボランティアが各地で対話し、速やかなイラク戦争終結を求める国民世論を議会に知らせるための行動です。一年以内にイラクから米軍を撤退させる法の成立を議会に求める署名を集めました。

 首都ワシントンでは、「ワシントン・ピース・センター」の活動家が行動。同センターのジェイ・マルクスさんらが「70%の国民が戦争に反対しています。戦争をやめさせるのは米議会の仕事です」と戸口に出てきた住民に訴えると、迷わず署名にこたえる住民が多数でした。マルクスさんは「圧倒的多数は戦争反対ですが、撤退の仕方については温度差があるようです」と感想を語りました。

 「百万戸訪問」を呼びかけたのは、「平和と正義のための連合」(UFPJ)などの反戦平和団体。署名は二十五日に米議会に提出されます。


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