2008年9月20日(土)「しんぶん赤旗」

太田農水相が辞任

汚染米問題 世論の批判強く


 太田誠一農水相は十九日午前の閣議終了後、首相官邸で福田康夫首相に会い、汚染米問題への対応の責任をとって辞任する意向を伝えました。二十四日に福田内閣が総辞職するのを目前にして異例の辞任です。


 汚染米問題は毒性の強い発がん性のカビや農薬に汚染された米が不正に食用として流通していた問題です。汚染米と分かっていながら国内に流通させていた農水省の責任と、根本にある自民党政治の責任が問われています。

 この問題で太田氏は「人体に影響はない。あまりじたばた騒いでいない」などと消費者の健康や食の安全を軽視する発言で世論の強い批判を浴びていました。十八日には参院農水委員会で閉会中審査が開かれ批判が集中。政治責任を明確にすることを余儀なくされていました。

 太田氏は会見で「事故米に関する社会的問題の大きさにかんがみ辞職の決意を固めた」とし、辞任の理由について「農林水産省全体としての結果責任を明確にしておいたほうがよい」としました。しかし、検査・監督体制の不十分さや、不衛生な外国米を義務でもないのに輸入し続けてきたことへの反省の言葉はありませんでした。

 次期内閣のもとで早期解散・総選挙の戦略を描く与党内からは、選挙に否定的影響が出るのを懸念する声も出ています。

 二十四日の新内閣の組閣までの間、町村信孝官房長官が農水相を兼務します。



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