2008年9月18日(木)「しんぶん赤旗」

稲作農家「時給」179円

前年より77円減

最低賃金の4分の1

07年米生産


 稲作農家の昨年(二〇〇七年)の家族労働報酬は、全国平均でみると一日八時間で千四百三十円、「時給」換算にするとわずか百七十九円となっていることが分かりました。サラリーマンの最低賃金の四分の一です。これでは生産が続けられず、価格保障が農家の切実な要求です。


 本紙の問い合わせにたいし、農水省統計情報部が明らかにしました。稲作農家の時給は、〇六年が二百五十六円でしたが、それを七十七円下回りました。

 下がった原因は生産者米価の暴落です。六十キログラムあたりで、〇六年が一万四千―一万二千円だった稲作農家の手取り額は、〇七年は一万二千―一万円程度と一、二割減収しました。

 生産者米価は、一九九五年のWTO(世界貿易機関)農業協定でミニマムアクセス(最低輸入機会の提供)による外国産米を日本共産党以外の党派の賛成で受けいれ「米の過剰」をつくったうえ価格保障を廃止、流通自由化をしたため量販店が“買いたたき”しやすい構造となっています。

 昨年の家族労働報酬を規模別でみると、もっとも多い一ヘクタール未満の農家は労賃が出ません。二ヘクタールから三ヘクタール未満は時給四百十一円です。五ヘクタール以上という全国で数%の大規模農家でようやく時給千五百円となります。

 日本の農業の柱になっている稲作農家は多くが生産コストを下回る状態が続き、離農、耕作放棄地が増えています。大規模農家も借金の返済と資材高騰に苦しんでいます。

価格保障を共産党が要求

 日本共産党は解決策として、三月に発表した「農業再生プラン」のなかで、米や麦、大豆の価格保障(再生産費と市場価格との差額を補てんする不足払い)、水田の環境保全を考慮した所得補償、自給率が低い飼料の水田転作も食用米並みの所得補償をすることを提唱しています。



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