2008年9月17日(水)「しんぶん赤旗」
中国ミルク汚染
22社69製品に拡大
政府 製品回収を命令
【北京=山田俊英】中国中央テレビによると、中国政府の国家品質監督検査検疫総局は十六日、多数の乳児に腎臓結石を引き起こした有害物質メラミンが、三鹿集団(河北省石家荘市)を含め全国二十二社の六十九の乳製品で見つかったと発表しました。同総局は企業名を公表するとともに、製品の回収を命じました。
伊利、蒙牛など優良企業とされていた大手乳製品メーカーも含まれ、国民の不信は一段と高まりそうです。
三鹿集団の粉ミルクへの混入事件について、衛生省は十五日、腎臓結石になった乳児は千二百五十三人に上り、甘粛省で二人が死亡したと発表しました。三百四十人が入院し、五十三人が重症です。問題のミルクを飲んだ乳児は一万人近くと推定されます。
河北省公安庁(警察)は十六日、メラミンを原料乳に混入させて三鹿集団に売った容疑で、同省石家荘市の搾乳業者ら四人を逮捕したと発表しました。二人は昨年末、三鹿集団に出荷した牛乳が同社の検査で合格しなかったため、メラミン二十キロを購入して混ぜ、たんぱく質含有量を多く見せかけて毎日三トンを同社に販売したといいます。
このほか警察は牧場経営者、飼育・搾乳業者とメラミンを販売した業者二十六人の身柄を拘束しました。いずれも関与を認めているといいます。
中国共産党石家荘市党委員会は十六日、三鹿集団の田文華会長を取締役会で解任するよう決定。兼任する同社の党組織責任者から解任しました。

