2008年9月13日(土)「しんぶん赤旗」
軍事クーデター35周年
犠牲者追悼し式典
チリ
【メキシコ市=島田峰隆】米国の支援を受けたチリの軍部が、同国のアジェンデ人民連合政権を倒した軍事クーデターから三十五周年となる十一日、首都サンティアゴで政府主催の記念式典が開かれました。参加者は、犠牲者を追悼し、民主主義を守る決意を新たにしました。大統領宮殿では、アジェンデ元大統領の執務室やクーデター時に殺害された場所を再現した部屋が公開されました。
バチェレ大統領は、「この部屋はチリ国民が熟考し、アジェンデ元大統領が残した歴史の教訓を学ぶ場になるだろう」とあいさつし、より公正な社会や生活水準の向上を求める努力が国民レベルで続いていることを強調しました。
チリ共産党とクーデター犠牲者の遺族の団体は、大統領宮殿前の広場で追悼式典を開き、献花。市民数百人が広場近くを行進し、軍政加担者の追及を強めるよう訴えました。
アジェンデ氏は一九七〇年の大統領選挙で共産党や社会党でつくる人民連合の候補として当選。ピノチェト陸軍司令官が七三年に米中央情報局(CIA)の支援を受けクーデターを起こし、軍政が九〇年まで続きました。政府調査によると軍政時代の死者、行方不明者は三千人を超えます。

