2008年9月12日(金)「しんぶん赤旗」
「総選挙目的みえみえ」
自民総裁選 街頭演説に冷めた目
渋谷
自民党は十一日、東京のJR渋谷駅ハチ公前で、同党総裁選初の街頭演説を行いました。石原伸晃、小池百合子、麻生太郎、石破茂、与謝野馨の五候補が演説。「規制緩和、『改革』の継続を」「テロとのたたかいから逃げるな」などと呼びかけ、「自民党をよろしく」と訴えました。
しかし、聴衆の多くは動員された関係者で、拍手や歓声もまばら。市民の感想からは“冷めた視線”と強い不満が浮かびます。
「候補者がどんなことを語るか聞きにきた」という病院で働く神奈川県藤沢市の男性(25)は、「自民党は“劇場型”の政治で人気をさらい、総裁選で盛り上げて選挙になだれ込む計画でしょうが、今回はそう簡単にいかないのではないか」と懐疑的。「(病院で)離職する人が多い。北欧のように社会保障に力を入れてほしい。小泉さんの改革はセーフティーネットを無視して市場原理主義一辺倒で進められ、そのツケがまわってきている」と述べました。
世田谷区在住の男性(67)は「(総裁選は)選挙目的というのがみえみえだ。自民党自体が疲弊しているため、何をやってもダメでしょう」と語りました。
都内の大学に通う男性(22)は「安倍さん、福田さんと二代続けて首相が突然辞任している。五人のうち誰が首相になっても短期間でやめると思う」といいます。新宿区で飲食店を経営する通りすがりの女性(67)は「何も期待していない。小泉さん、安倍さん、福田さんときて、どこもよくならないのが実感。消費税増税には反対」と述べ、立ち去りました。
若者の就職支援のNPO法人で働く女性(31)は「若者の雇用がどれだけ厳しいか、格差がどれだけ広がっているか、五人の候補にもっとみてほしい。(対策を)具体的に語ってほしかったが、ほとんどなく、がっかりした。誰がなっても同じ。自民党にパワーがないと感じた」と語りました。

