2008年9月8日(月)「しんぶん赤旗」
原発防災の不備指摘
科学者会議がシンポ
金沢
日本科学者会議エネルギー・原子力問題研究委員会は七日、前日に続き、金沢市内で原発シンポジウムを開きました。約百人の参加者が地震と防災をテーマに議論しました。
関西学院大学の室崎益輝(むろさき・よしてる)教授は防災研究の立場から、昨年の柏崎刈羽原発の震災について報告しました。万一のための予備電源が機能しなくなるというシステム上の欠陥、初動対応の遅れなどの問題点を指摘し、地震動の過小評価と地震・火災の同時発生という二つの想定ミスがあったと説明しました。
元原子力研究所員の舘野淳氏は、三千件をこえる破損・故障データを分析し、同原発の全七基のうち、老朽化が進んだ原子炉ほど損傷の件数が多い傾向を明らかにしました。
新潟大学の立石雅昭教授(地質学)は、最新の知見によっても中越沖地震の揺れを想定できなかった問題を詳細に報告しました。河野芳輝(こうの・よしてる)金沢大学名誉教授(地球物理学)は、地震発生についての多様な研究手法の長所と限界を紹介しました。
佐藤正雄・前福井県議(日本共産党)は、原発集中を理由に県が有事への県民動員を図ろうとしていることを告発しました。
元原子力研究所員の青柳長紀氏が原発事故と原子力防災の歴史について、科学者会議石川支部の児玉一八氏が志賀原発の活断層問題について、それぞれ報告しました。

