2008年9月8日(月)「しんぶん赤旗」

列島だより

無駄な道路 再開発やめよ

住民運動積み重ね


 税金を無駄遣いしたうえ住環境を破壊する大型道路事業と区画整理・再開発に抗して、三十―四十年来の歴史を積み重ねてきた住民運動の全国組織があります。「道路公害反対運動全国連絡会」と「区画整理・再開発対策全国連絡会議」の活動を紹介します。


環境や財政で議論広げ

道路公害反対運動全国連絡会

 道路公害反対運動で、一九七五年以来の全国連絡会の歴史があります。首都圏から愛知、京都、大阪、兵庫、広島など、ほぼ大都市部で運動があるところの住民運動団体が結集しています。

 熊本と新潟の水俣病、富山のイタイイタイ病、四日市ぜんそくの四大公害、西淀川や尼崎、名古屋、川崎、東京の大気汚染公害、そして食品・薬品公害と公共事業による公害・環境破壊問題では、被害を受けた患者さんなどが中心になって、被害者の救済と公害をなくす運動をしてきました。

 最近は、被害を事前に差し止めるため、東京・高尾山に圏央道を通すなという私たちのような運動と九州の川辺川ダム建設反対や有明海をよみがえらせる運動などが「やま、かわ、うみ、そら」をむすんで行動しています。

参加が広がり

 道路問題の運動は、沿線住民が中心になり、最近は、参加が広がり、事業差し止めを裁判に訴える例も増えています。しかしとくに国土交通省相手の公共事業の場合は、行政訴訟の勝訴率はきわめて低いのが実情です。

 裁判をすることによって情報を公開させるなど、前進面は生み出していますが、苦労がつきまといます。

 政策的な課題とともに、政治的な解決が求められるようになっています。

 道路特定財源を一般財源化するということは、私たちの運動や国民のたたかいで一定程度前進してきました。無駄な道路を造り続ける装置が道路特定財源です。それを一般財源化するということは、無駄な道路を造り続けるのはおかしいのではないか、という議論を財政面からも起こしています。

公共事業とは

 ガソリンも高騰し、一方では車離れも進んできています。いままでは、車が増え、渋滞するから道路を造る、という理屈でした。ところが現実には車が減り、渋滞も減ってきている。首都高速道路も、土日のレジャーに使う車の減少率が大きい。前年比5―6%減っている。ビジネスのトラック輸送なんかも3%減ぐらい。

 一方で、東京湾アクアラインの実績を例にあげ、東京湾口道路計画とか、六大橋計画などを共産党も追及しました。あきらかに無駄な道路は、これ以上造る必要はありません。

 どうしても必要なところは仮に元がとれなくてもやるのが公共事業でしょうが、それにしても、本当に生活に必要な道路ではない大型の高速道路、高規格道路を造りつづけていいのか。

 とくに、環境問題では、車から排出される有害物質だけでなく、重厚長大の産業で二酸化炭素の排出が大きい建材を使う高速道路建設そのものが温暖化対策に逆行する。温暖化防止の世界の流れに逆行する高速道路を造り続けていいのか。

 全面的な見直しが必要です。日本の国のありようそのものにかかわる問題です。道路全国連としてどう対応するかを、八月三十日に全国幹事会で話し合いました。

 ことしの第三十四回全国集会は十一月八、九の両日、大阪で開催します。そこでおおいに交流し、議論したいと思います。(橋本良仁=道路公害反対運動全国連絡会事務局長)

 連絡先=同連絡会042(662)8115、ファクス042(669)7387


住み続けられるまちに

区画整理・再開発対策全国連絡会議

 区画整理や再開発は、町中に道路を配置したり、駅前広場確保や超高層ビルづくりの手法に多用され、いま、全国各地で区画整理がおよそ千四百カ所、再開発が百二十カ所で進められています。

 家やお店を移すことに一定の補償が出るものの、多額の借金をしょって移る場合が少なくありません。超近代的なビルになじまないお店がビルにも入れず、転出を余儀なくされることは日常茶飯事です。

 無理して空けさせた空間に巨大な再開発ビルをつくったものの、入り手がなく、市民の血税で役所が床を埋める事例も後を絶ちません。

交流、研究で

 私たち住民は、一九六八年秋、この連絡会議を立ち上げました。以来、四十年、年一回の全国研究集会やシンポジウムを開き、また月刊で「区画・再開発通信」というニューズレターを発行して、全国各地の住民運動、自治体議員、研究者、専門家の方々などと共に経験交流、理論研究の場をつくってきました。

 その後、住民の創意工夫とねばり強い努力、自治体議会や自治体首長などの積極的な対応により、数々の前進面を切りひらいてきました。ほんの一例をあげれば、埼玉県さいたま市大宮駅東では再開発を撤回させました。東京都墨田区白鬚東、荒川区白鬚西、江戸川区・江東区の亀戸大島小松川、大阪市阿倍野などでは、再開発地区内に公営住宅を大量に確保したり、貸し工場、貸し店舗をつくるなど、借地・借家人など住民が住み続けることのできる再開発への試みが進められました。

 区画整理でも、事業を撤回させた後に住民主体の住環境整備にとりくんだ神奈川県藤沢市辻堂の経験があります。事業化されても、東京都江戸川区西瑞江や横浜市港北ニュータウン、兵庫県西宮市阪急西宮駅北東、埼玉県三郷市三郷中央などでは、住民負担なし、住環境改善向上など、住民犠牲を減らし住民の意向を取り入れるまちづくりの経験も生み出されてきました。

住環境破壊に

 いま、国の「都市再生」という新自由主義的な「都市構造改革」のもとで、大手企業が実権をふるい、「まち破壊」となる横暴な区画整理、再開発も広がっています。大都市圏を中心に大手マンション業者の地上げ手法に再開発が使われ、「時間管理」の名のもとに、あっという間に強行されています。

 これらにたいしても、住み続けられるまちづくり、住環境破壊に抗した運動に努力している東京都港区芝三丁目や葛飾区立石駅周辺、世田谷区二子玉川東など、地道な住民運動がとりくまれています。今秋には、計画段階の区画整理、再開発を司法審査の対象からはずし“門前払い”にした、いわゆる「最高裁青写真判決」(一九六六年)を見直す動きがあります。

 私たち連絡会議は、こうした動きをみすえながら、十月十八、十九の両日、神奈川県箱根町で第四十一回全国研究集会を開きます。全国各地でこれらの問題にとりくむ住民、議員、専門家の出席を期待しています。(遠藤哲人=NPO法人区画整理・再開発対策全国連絡会議事務局長)

 連絡先=同連絡会議03(5261)4031、ファクス03(5261)4032


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