2008年9月4日(木)「しんぶん赤旗」

ロシア・グルジア紛争

双方がクラスター弾使用


 八月に起きたロシアとグルジアとの軍事衝突で、双方とも残虐兵器のクラスター爆弾を使用していたことが、ニューヨークに本部を置く国際人権組織「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」の調査で分かりました。

 それによると、グルジア現地に派遣された調査員はゴリ地方の村々で「数百発の不発弾」を発見。住民は調査員に、ロシア軍が八月八日の空爆でクラスター爆弾を投下したと証言。この地域で少なくとも十一人が死亡したとしています。ロシア軍のノゴビツィン参謀本部次長は八月十五日の会見で、クラスター爆弾の使用を否定していました。

 一方、グルジア国防省は九月一日までに、ヒューマン・ライツ・ウオッチに書簡を送り、ロシア軍に対してクラスター爆弾を使用したことを認めました。

 同省は同時に「民間人や民間の標的に対しても、民間人密集地域とその近郊でも決して使わなかった」としています。

 これに対しヒューマン・ライツ・ウオッチの軍事研究員、マーク・ガーラスコ氏は、「どのような種類のクラスター爆弾も、いかなる場所でも、使用は認められない」と批判しています。


 クラスター爆弾 一つの親爆弾の中に破片などを仕込んだ子爆弾が数百個収納され、投下されると空中で爆発し、広い範囲に子爆弾が散る、殺傷・破壊力が高い非人道的な兵器。不発弾となった子爆弾も、戦闘と無関係な市民を殺傷します。


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