2008年8月23日(土)「しんぶん赤旗」

新署名「核兵器のない世界を」

東京 八王子原水協の取り組み

飛び入りで「私も行動」

パネル展 商店街が協力


 原水爆禁止2008年世界大会(2―9日)で提起された新しい署名「核兵器のない世界を」のとりくみがはじまっています。新署名を集めはじめている東京・八王子原水協(原水爆禁止八王子協議会)を同市に訪ねました。(行沢寛史)


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 八王子平和と労働会館(フォーラムはちおうじ)では、十月四、五日に同市で開かれる「平和を愛する文化祭」の準備がすすめられていました。八王子原水協の谷繁男会長が、「二〇一〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で国連にだす新しい核兵器廃絶の署名だから、協力してよ」と、参加者によびかけ、署名を集めました。新しい署名は、二〇〇〇年のNPT再検討会議で決められた核兵器廃絶の「明確な約束」の実行を求め、核兵器禁止・廃絶条約の交渉をはじめ、締結をよびかけるものです。「これまでの署名を『もうやったよ』という人もいるので、新しい署名の意義を訴えないといけない」と、谷会長は話します。

 八王子原水協が新署名を集めはじめたのは、六日から。原水爆禁止世界大会広島総会終了後、署名用紙をファクスで送ってもらい、一九八五年から毎年とりくんでいる八月六日、九日のロングラン署名行動に間に合わせました。

 行動では、地元商店街の協力も得てテントを張り、原爆写真パネル「原爆と人間展」を展示。被爆者が被爆の実相を語り、「原爆写真のことは、本当に起こったことです」と語り、核兵器の廃絶を訴えました。新署名で終日とりくんだ九日は、四百七十六人分を集めました。とりくみには、年金者組合、新日本婦人の会、民医連、八王子労連、日本共産党など十五団体から、両日あわせて百人近くが参加しました。

 六日のとりくみには、八王子空襲で家を失った男性が飛び入りで参加。男性は広島の原爆投下を報じた一九四五年八月七日付の読売新聞の紙面を持って訪れ、「こういう行動は初めて参加する」と話し、署名をよびかけました。

 原爆パネルを見て、被爆者の話を聞いた多くの青年が、「核兵器がどれだけ恐ろしいものか、知らなかった」と次々署名。一九四五年八月二日、町中が火の海と化した八王子空襲を経験した高齢者らは、「なぜ原爆を落とさなければならなかったのか」と自身の体験と重ねて、「戦争はやるべきではない」と署名に応じました。また、ベトナム戦争を経験したというフランス人は、パネルを見てから「戦争はダメ」と署名しました。

 新婦人八王子支部は七日、支部委員会を開き、新しい署名用紙を二百枚印刷して配布しています。新千明支部長は、「これまで署名したことのない人に広げるとりくみにしようと、会員の隣人宅へのポストイン行動や、ピースチャレンジなどのとりくみをすすめています」と話します。支部では、新署名と「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名とあわせて、市内の女性有権者一割に当たる二万人以上から集めようと議論しています。



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