2008年8月21日(木)「しんぶん赤旗」

時効年金支給 425億円に

想定の4割 支払い決定進まず


 時効によって消滅した過去の年金分も支払うことを決めた「年金時効特例法」に基づいて、支払い決定された年金総額は四百二十五億一千五十三万円であることが二十日までの社会保険庁のまとめで分かりました。決定されたのは七万二千八百五十三人分で、一人当たり平均は五十八万円(最高額二千八百二十三万円)でした。七月末時点に同庁がまとめたもの。

 同庁が想定している支払総額九百五十億円の44・7%にとどまっています。五月末時点の支払決定総額約二百九十三億円(30・8%)から、若干増加したものの、想定額の半分以下の水準にとどまっています。

 年金時効特例法は、国民の批判を浴びた「消えた年金」対策の大きな柱。政府・与党は同法によって、年金記録問題が大きく解決できるように宣伝していましたが、支払い決定は十分すすんでいないことが浮き彫りになりました。

 支払決定者の内訳は、男性約三万九千人、女性約三万三千人。対象者の平均年齢は七十五歳でした。

 また、年金時効特例法で手続きをした人は、約八万七千人(六月末現在)。社会保険庁の想定二十五万人を大きく下回っています。対象者への通知が十分行われていないことが大きな要因です。

 年金時効特例法は、年金を受給して以降、新たな年金記録が見つかった場合に、それまでの「時効消滅分」を含めて全額払うとしました。すでに亡くなっている人の年金は遺族が受け取ることになります。

 それまでは年金記録訂正によって年金が増額した場合でも、直近五年間の年金しか支払われませんでした。



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