2008年8月18日(月)「しんぶん赤旗」
寺院周辺から撤退
タイ・カンボジア両軍
【ハノイ=井上歩】タイ、カンボジア両軍は十六日までに、国境のヒンズー寺院遺跡「プレアビヒア」周辺に展開していた兵士の大部分を撤退させました。ロイター通信が同寺院にいるカンボジア軍部隊幹部の話として伝えました。
両国は十三日、展開する兵士を数百人―千人規模から数十人に大幅に削減することで合意していました。
「プレアビヒア」をめぐっては、両国が長年領有権を争っていましたが、一九六二年に国際司法裁判所がカンボジア領と判断。しかし現在も周辺の国境は画定していません。七月にカンボジアの単独申請に基づいて遺跡の世界遺産への登録が決まり、タイ国内で反発が強まりました。
七月十五日に遺跡に入ったタイ人三人がカンボジア側に一時拘束されたのをきっかけに、両国軍が展開。遺跡周辺でにらみ合う事態になっていました。

