2008年8月11日(月)「しんぶん赤旗」
空港での地上作業事故
初めて統計明らかに
07年6月から今年5月まで
事故の9割 人的ミス
国土交通省は、空港の地上作業事故の統計(二〇〇七年六月から〇八年五月まで)をこのほど初めて明らかにしました。地上作業事故、いわゆるランプ事故については、日本共産党千葉県委員会と党県議団が追及し、昨年四月の参議院で小林美恵子参院議員(当時)の質問を機に、飛行場運用業務指針が改正され、ランプ内事故を国が掌握することになったもので、志位和夫衆院議員の事務所の要求で提出されたものです。
共産党が要求
事故統計は、全国の空港管理者から国交省への事故報告を集計しました。この一年間の空港での地上作業事故は三百十三件。種類は、車両損傷百六十四件、物件の損傷百二十七件、航空機の損傷二十六件、負傷五十五件、死亡一件です。空港別に見ると、羽田七十三件、成田五十六件、中部三十八件、関空三十八件で、四空港で事故全体の約七割を占めています。また四空港での事故件数は、昨年の一・八倍近く増えています。
事故の内容で、人身事故や航空機損傷などの重大事案は四十二件で、運航に影響が生じたものは十二件です。事故の主たる原因は、人的ミス二百六十八件、故障・整備不良等十五件、施設の欠陥八件、手順の不具合十一件、そのほか十二件となっています。
事故の九割近くが、人的ミス、いわゆるヒューマンエラーです。国交省が発表した「事故の芽」のトラブルは、人為的ミスが一割にとどまっており、それとはかけ離れた数字です。この統計は、空の安全にとっても、労働者や利用者の安全のためにも、航空会社の人減らしや委託拡大、離発着の時間に追われている地上作業の改善が求められていることを示しています。

