2008年8月11日(月)「しんぶん赤旗」
グルジア軍が撤退
ロシアは首都爆撃、増派
南オセチア
グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州をめぐる戦闘で、同州州都ツヒンバリなどに進攻していたグルジア部隊が撤退しました。グルジア内務省が十日、英BBC放送に明らかにしました。同省当局者によると、ロシア軍機が同日、グルジアの首都トビリシの国際空港近くの空軍施設を空爆しました。
ロシア空軍は前日の九日には、グルジアから分離独立をめざすアブハジア自治共和国のコドリ渓谷に駐留するグルジア部隊陣地を爆撃。十日には同自治共和国部隊千人がコドリ渓谷に進攻したとの情報もあります。同渓谷は同自治共和国に属しますが、〇六年にグルジア側が武力制圧し、陣地を築いています。
ロシアからの報道によると、ロシア海軍黒海艦隊の複数の艦船がグルジアを海上封鎖し、武器の輸送を阻止しています。
十日、グルジアの撤退について内務省報道官は「軍事的敗北ではなく、必要なステップだ」と語りました。ロシア部隊一万人がロシアの北オセチア共和国から新たに南オセチア自治州に駐留する部隊の応援のために国境を越えたことへの対応だとしています。
同報道官によると、これまでの戦闘でグルジア兵百人が死亡しました。
ロシア外務省によると、南オセチア自治州の住民などの死者数は二千人に達しました。ロシア兵やグルジア市民なども含めると、これまで発表された戦闘による死者数は二千二百人近くになります。

