2008年8月10日(日)「しんぶん赤旗」

南オセチア 戦闘激化

グルジア親米政権とロシア

自治州独立めぐり対立

解説


 自治州独立をめぐり戦闘状態になっているグルジアでは、二〇〇三年の「バラの革命」と呼ばれる政権交代でサーカシビリ大統領による親米政権が誕生して以来、対ロ関係が悪化してきました。

 グルジア領の南オセチア自治州は、隣接するロシア領北オセチア共和国への編入を求め、独立を要求。それに対し、サーカシビリ氏は「ロシアは分離独立派を支援している」と非難し、米軍の軍事訓練を受けたグルジア軍が分離独立を主張している同自治州やアブハジア自治共和国と軍事衝突を繰り返していました。

 またグルジアは北大西洋条約機構(NATO)への加盟を目指し、この問題でもロシアと対立しています。グルジアで二月に行われた国民投票では72・5%の人々がNATO加盟に賛成。四月のNATO首脳会議はグルジアが将来、NATOに加盟することに支持を表明しました。しかしNATOの東方拡大に反対のロシアは、武力行使も含めた「すべての必要な手段をとる」と警告していました。

 ロシアは五月、独立国家共同体平和維持軍の増派部隊として、アブハジアに派兵。グルジア側は国際法違反だとして反発を強めていました。

 その後も南オセチア、アブハジアでは衝突が頻発していました。両分離独立派を支援するロシアが両自治州上空をたびたび警戒飛行。グルジアはこれを領空侵犯と非難し、グルジアの無人偵察機がロシア機に撃墜される事件も起きていました。

 (山崎伸治)


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