2008年8月8日(金)「しんぶん赤旗」

主張

経済対策

暮らしに軸足を定めてこそ


 政府は八月の月例経済報告で輸出、生産、雇用の判断を軒並み下方修正し、「景気回復」の表現を削除しました。先行きについても米国経済への楽観論を後退させ、日本経済はさらに「下振れリスクが存在する」と指摘しています。

 「回復」の削除は、二〇〇四年一月の月例報告で小泉内閣が輸出と大企業収益の好調を根拠に「回復」を宣言して以来のことです。当時、5%以上の失業率で家計は冷え込んでいましたが、自公政権には家計の厳しさなど眼中にありませんでした。

暮らし守る緊急対策を

 家計が回復を実感することもないまま、景気はふたたび後退へと暗転したことになります。

 福田康夫首相は四日、経済対策のとりまとめを与謝野馨・経済財政相に指示しました。

 所得の低迷で冷え込んだ家計に、石油高騰、食料品など生活必需品の相次ぐ値上げの追い打ちがかかっています。国民の暮らしを守る対策が緊急に求められます。

 燃油の高騰で存亡の危機に立たされている漁業、農業関係者、中小・零細企業などに対して、直接補てんによる燃油価格の引き下げや減税措置を取るべきです。漁協のいっせい休漁という抗議行動を受けて政府は漁業対策を決めましたが、適用期間や直接補てんの条件など、利用しやすいものに改善する必要があります。福祉・医療・教育などの分野にも、政府として負担軽減策を実行すべきです。

 同時に、物価急騰の深刻な被害を打開するためには、何より、物価つり上げの“主犯格”である投機マネーの国際的な規制に踏み出すことが重要です。

 日本政府は昨年のサミット(主要国首脳会議)で、ドイツが提案したヘッジファンド(国際投機集団)の規制案を米国とともにつぶす側に回りました。福田首相が議長を務めた今年の洞爺湖サミットでは、「市場の透明性の向上」など、やる気のない決まり文句を並べただけに終わりました。

 自公政権は、投機マネーの規制に背を向け続けてきた姿勢を根本から改める必要があります。

 景気の暗転は、家計を犠牲に大企業の競争力を強めるやり方、内需を冷やす結果として輸出に頼らざるを得ない構造改革路線の破たんを示しています。

 福田首相は経済対策で景気や生活の不安に対応するとしています。しかし、景気と生活の最大の不安は消費税増税と社会保障の削減であり、不安定雇用の増大です。国民の不安の焦点となっているのは構造改革路線そのものであり、その転換なくして日本経済の安定的な発展も国民の不安の解消もできません。

意思も能力もない

 改造内閣発足後の記者会見で福田首相は「消費税なしで財政再建ができるとはとても考えられない」とのべています。

 舛添要一厚労相は社会保障の自然増を二千二百億円削減することに「精いっぱい努力する」と財務省に約束しました。経済対策で与謝野経済財政相は「構造改革・財政規律と整合的なものをピックアップしていく」と語っています。

 福田内閣には構造改革路線を転換する意思も能力もありません。

 日本経済のゆきづまりを打開するためには、構造改革路線を改めて大企業から家計に経済政策の軸足を移すことが不可欠です。



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