2008年7月30日(水)「しんぶん赤旗」

軍撤退の方向で合意

ヒンズー教寺院領有めぐり

タイ・カンボジア


 【ハノイ=井上歩】クメール遺跡・ヒンズー教寺院「プレアビヒア」の領有をめぐり、タイ・カンボジア両国が国境に兵士を配置し緊張が高まっている問題で、両国外相は二十八日、カンボジア北西部のシエムレアプで協議し、両国とも軍を撤退させる方向で合意しました。

 ロイター通信などによると、カンボジアのホー・ナムホン外相は「軍の再配置について両国とも政府内で検討することで合意した。次回の会合で問題の地区にどれだけの軍を残すか決める」とのべました。

 タイのテート外相は「軍の再配置にはタイ政府の承認が必要」だとのべました。

 両外相は武力行使の回避と問題の平和的解決を確認。

 ホー・ナムホン外相は、今回の合意が「平和的、友好的解決に道を開いた」と評価しました。

 具体的な軍の撤退手順や次回会合の時期などは決まっておらず、次回以降の会合で協議します。

 両国の緊張は、今月十五日にタイ人僧侶三人がカンボジア領に越境し一時拘束されたのをきっかけに発生。

 両軍がともに千人規模の兵士を展開し、遺跡周辺の国境でにらみあう事態となっています。


 プレアビヒア寺院 カンボジア、タイ国境の絶壁に立つクメール様式のヒンズー教寺院遺跡で、アンコール王朝が九―十一世紀に建設。国際司法裁判所は一九六二年にカンボジア領との判断を下しました。しかし、地形的にタイ側からしか登れず、寺院周辺に国境未画定部分があり、タイ国内では領有権を主張する根強い世論があります。


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