2008年7月27日(日)「しんぶん赤旗」

ハンセン病

将来構想を考える

鹿児島・鹿屋星塚敬愛園 基本法学ぶ講演会

仁比議員があいさつ


 「ハンセン病問題基本法とハンセン病市民学会・講演会」が二十六日、鹿児島県鹿屋市のハンセン病療養施設・星塚敬愛園で開かれました。百四十人の入所者や市民らが参加し、先月成立した療養所の地域開放などを盛り込んだ「ハンセン病問題基本法」について学び、療養所の将来構想に向けた意思を固め合いました。主催はNPO法人ハンセン病問題の解決をめざして共に歩む会(松下徳二理事長)。

 日本共産党から仁比聡平参議院議員が来賓としてあいさつ。同法制定を求め九十万人を超えた署名について、「人間回復への思いを一つに頑張ってこられた」とたたえるとともに、今後も「法に魂を入れ、生きていてよかったと言える療養所を作るために一緒に頑張りたい」と連帯の言葉をのべました。

 小林洋二弁護士が同法の内容と今後の活用について法の理念や趣旨を逐条ごとに解説。医師確保、地域開放など療養所の具体的な将来構想について「(市民と入所者で)胸襟をひらいた話し合いが必要。その前提として相互理解が必要だ」とのべ、両者の信頼関係の拡充を強調しました。

 徳田靖之弁護士が入所者や支援者、市民、研究者らで構成されるハンセン病市民学会の活動方針・活動内容について報告しました。

 星塚敬愛園の入所者は現在二百五十九人、平均年齢は八十・五歳です。敬愛園自治会の岩川洋一郎会長(71)は「99%の入所者が敬愛園を“ついのすみか”と考えている。心安らかに安心して生涯を終えたといえるためにも、法の制定でたたかいは終わりではない、始まったばかりだ」と感想を語りました。


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