2008年7月23日(水)「しんぶん赤旗」

「日の丸・君が代」不当処分

都教委が「研修」強行

教職員14人に「反省」迫る


 東京都教育委員会は二十二日、今年春の卒業式や入学式で「君が代」斉唱時に職務命令に反して起立しなかったことなどを理由に戒告や減給の処分を受けた教職員十四人に対し、「再発防止研修」を実施しました。

 「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会は、「研修」は強制に従わなかった教職員に「反省や転向」を迫るもので、憲法が保障した思想・良心の自由に反する暴挙だと抗議しました。

 「日の丸・君が代」強制反対裁判の弁護団は同日、「研修」開始前に、「違憲・違法な『研修』は中止を」と申し入れましたが、都教委側はこれを無視して強行しました。

 被処分者の会は「『再発防止研修』は『研修』という名を借りた実質的な二重の処分行為にほかならない」とし、不当処分撤回までたたかい抜くと表明した抗議声明を発表。研修が行われた都教職員研修センターの前で「人権侵害の研修を直ちにやめよ」「反省すべきは都教委だ」とシュプレヒコールをあげました。

 「研修」を受けた教師の一人は「職務命令に違反することは分限処分(教職員が職責を十分果たせない場合に地方公務員法に基づいて行う行政処分)の対象になるという説明もあった。私たちの行動を狙い撃ちにして脅していることは明らかだ」と語りました。

 今回の再発防止研修を前に都教委は「服務事故(不起立のこと)を起こしたときの気持ち」などを記述する「受講前報告書」の提出を命じました。被処分者の会は「内心の表白を迫り、思想・良心の自由を侵害するもの」と批判しています。



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