2008年7月16日(水)「しんぶん赤旗」

志布志事件

元警部補「踏み字1回だけ」

控訴審 被害者「無反省だ」


 二〇〇三年四月の鹿児島県議選をめぐる公選法冤罪(えんざい)事件(志布志事件)で、取り調べを受けた川畑幸夫さん(不起訴)に親族のメッセージに見立てた三枚の紙を無理やり踏ませ「自白」を強要したとして、特別公務員暴行陵虐罪で起訴され、懲役十月、執行猶予三年の有罪判決を受けた元鹿児島県警警部補の浜田隆広被告の控訴審が十五日、福岡高裁(陶山博生裁判長)で開かれました。

 被告側は一審判決の「法令適用の誤り」や「訴訟手続きの法令違反」を主張。踏み字行為は「わずか一回」にすぎず「違法性の認められる行為」とはいえないなどとして、「無罪」を求めました。

 これに対し検察側は、「控訴に理由はない」として「棄却」を求める答弁書を提出。

 双方とも、あらたな証拠などの提出はなく、控訴審はこの日で結審しました。浜田被告は、出廷しませんでした。

 「踏み字」被害者の川畑さんは閉廷後、記者団から浜田被告が「無罪」を主張したことについて問われ、「反省のかけらも見られない」と厳しく批判しました。「裁判官が悪を見抜き、重い罰を与えなければ今後もこのような事件が起こる」とのべ、実刑判決を強く求めました。


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