2008年7月16日(水)「しんぶん赤旗」

自治体首長 公費出席訴訟

イラクは戦闘状態

壮行会主催の元基地司令証言

仙台地裁


 イラクへ派遣される自衛隊員の壮行会に近隣市町の首長が公費で出席したのは不正支出だとして宮城県内の住民が返還を求めた訴訟の第十七回口頭弁論が十五日、仙台地方裁判所で開かれました。

 同壮行会が開かれた航空自衛隊松島基地の元基地司令(空将補)・安宅耕一氏(60)の証人尋問がおこなわれました。

 原告弁護団は、当時のイラクの状況に対する認識を質問。安宅氏は、「フセイン大統領の組織と各国の軍隊が対峙(たいじ)し、戦闘行動をしていた」と述べました。

 また、裁判所の質問にたいし、「イラクには陸上自衛隊だけでなく航空自衛隊も派遣されていることを知ってもらうために首長らを招待した」と述べ、政治的意図があったことを明らかにしました。

 弁護団は、さらに当時の防衛庁長官などの証人尋問を要求しましたが、潮見直之裁判長は次回十月七日で弁論を終結すると述べました。


解説

壮行会の政治意図浮き彫り

 原告側の申請で行われた元基地司令の証人尋問の目的は、「壮行会への首長の出席が社交辞令などではなく、違憲・違法なイラク派遣隊員を激励する場であった」ことを実証することでした。

 元基地司令は、壮行会を自ら主催したことを証言。その中で派遣された隊員が「どこに、どんな武器を携行したかについて知らない」としながら、「行き先はイラク国内」「敵対勢力による戦闘行為が続いていたことは知っている」と派遣先が「戦闘地域」であったとの認識を示しました。

 近隣市町の首長らを招待する基地主催の桜や藤の花見会と「(イラク派遣要員壮行会とは)性格がちがう」と認めた証言は重要です。

 元基地司令は法廷での証言の後、本紙の取材に「最高指揮官である内閣総理大臣の命令により、隊員を差し出すことが私の任務」と強調し、この中で「国策」の言葉も使い、自らの権限で隊員を海外派遣したことを力説しました。

 壮行会はまさに国策遂行の政治的行事として実施したことを当事者が語ったのです。

 原告と弁護団は、「尋問の目的を達した」と確信を深めています。名古屋高裁が示した「イラク派遣は違憲」の判断を土台に壮行会への公費支出の違憲・違法性を明らかにする準備書面でさらに被告側を追いつめる構えです。(山本眞直)



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