2008年7月11日(金)「しんぶん赤旗」

国、開門拒否し控訴

漁民「理不尽」と抗議

有明訴訟


 長崎県諫早湾干拓事業の潮受け堤防の水門開放を命じた佐賀地裁判決について、政府は十日、福岡高裁に控訴しました。

 農水省前で座り込み要請行動を続けていた「よみがえれ!有明訴訟」原告団・弁護団は理不尽な控訴を撤回し、ただちに水門を開放するよう抗議の声をあげました。

 若林正俊農水相は控訴にあたって談話を出し、「判決の通り(潮受け堤防の)排水門を開放することはできない」と明言。一方で、「今後、環境省と調整したうえで開門調査のための環境アセスメント(影響評価)を行う」とのべています。この提案について、原告団・弁護団は「何ら実効性はない」(馬奈木昭雄弁護団長)と批判しました。

 佐賀地裁判決は、干拓事業と有明海の漁業被害の因果関係を認め、長期の開門調査を実施しなかった農水省を、「立証妨害」であり「信義則に反する」と断罪、五年間の長期開門調査を国に命じました。有明海沿岸の福岡、佐賀、熊本の三県が地裁判決を支持し、開門を政府に要請。多くの環境NGOや学会が開門調査を求める声明などを発表していました。



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