2008年7月10日(木)「しんぶん赤旗」

戦争拒否米兵の難民申請

カナダ政府の棄却に

連邦裁が再検討指示


 カナダの連邦裁判所は四日、イラク従軍を拒否してカナダに逃れた米兵の難民申請を棄却した政府機関に対し、再検討を命じる判決を下しました。イラク従軍拒否の米兵の訴えをカナダの裁判所が支持したのは初めて。支援者は「画期的」と歓迎しています。(ワシントン=鎌塚由美)


 難民申請していたのはイラク従軍後、家族とカナダに逃れていた米陸軍一等兵のジョシュア・キー氏(30)。同氏は、イラクで従事した軍事行動がジュネーブ条約の禁じた「個人の尊厳に対する侵害、特に、侮辱的で体面を汚す待遇」や「不法な監禁」であり、それを拒否するためにカナダに逃れたとして、難民として認めるよう求めていました。

 難民認定を行う「移民難民委員会」は、同氏が上官から命じられた行為がジュネーブ条約違反であることは認定。しかし難民申請には、命じられた行為が「戦争犯罪」に当たる深刻なものでなくてはならず同氏の場合は該当しない、として難民申請を棄却しました。

 これに対して連邦裁は、ジュネーブ条約違反行為は、難民認定を主張する根拠となると判断。移民難民委員会は「法的基準を過度に制限することで誤りを犯した」と結論づけました。

 トロントで戦争拒否の米兵支援活動を行っているリー・ザスロフスキー氏はメディアに対し、「画期的な判決」と歓迎を表明。キー氏の弁護人ジェフリー・ハウス氏は、判決は「良心的兵役拒否を行う権利の解釈を広げた」ものだと述べました。

 現在カナダには、良心的兵役拒否者を含む約二百人の米兵が滞在しているといわれますが、難民として認められた事例はまだありません。

 カナダ議会下院は六月三日、戦争を拒否しカナダに逃れる米兵に滞在許可を与えるよう、政府に求める決議を可決していました。



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