2008年7月9日(水)「しんぶん赤旗」

洞爺湖サミット

温暖化G8合意 先進国の責任示さず

長期目標は「世界全体」で

中期の数値目標もなし


 北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は八日、主要八カ国(G8)首脳による討議をおこない、二〇五〇年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を現状比で半減させる長期目標について「世界全体の目標として採用を求める」ことで合意しました。「世界全体の目標」とすることで、世界の排出量の48%を占める先進国の責任を棚上げする内容です。


 福田康夫首相は、記者会見で「次への基礎固め」と記者団に誇ってみせました。しかし、合意文書は、「差異のある責任および各国の能力」という原則をうたいつつも、「世界全体での対応」、とくに中国、インドなどを含む「主要経済国の貢献」を強調。先進国が果たすべき責任をあいまいにしています。

 長期目標をめぐっては、昨年の独ハイリゲンダム・サミットでの「真剣に検討」から、「合意」にすることが課題だと、議長国の日本側はしてきました。米国は主要排出国の中国やインドが不参加であることを理由に「合意」とすることに難色。「世界全体の目標」として、各国に採用を求めていくことで折り合いました。

 また二〇二〇年ごろまでの中期目標の設定については、「野心的な中期の国別総量目標を実施する」としたものの、具体的な数値目標を盛り込みませんでした。

 世界経済では「原油および食料の価格上昇に強い懸念」を表明した合意文書を発表しました。ただ、投機マネーが流入し高騰を続ける原油市場について、「透明性」を強調するだけで、投機マネーへの直接規制などの対策には踏み込みませんでした。一方、「開放的で競争的な資本市場は、経済成長を促進させる」と金融・資本市場における競争政策の促進をうたいました。

 アフリカの開発支援のために〇五年のグレンイーグルズ・サミット(英国)で決めた政府開発援助の目標を再確認する合意文書を採択しました。また、食料高騰で深刻化する飢餓問題に対処するため、食料問題についての声明を採択。世界の食料生産の重要性を強調する一方で、一部の国で行われている輸出規制の撤廃を求めました。



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